「憂傷肺」「悲傷肺」感情と臓腑
東洋医学では、憂い、悲しみが過ぎると肺を傷めるといいます。
※ここでいう肺は、解剖学的な肺よりも、広い範囲で呼吸を司っています。
生きていると、感情は必ずおこり、悲しみも憂も必ずおきてきます。
ですが、強すぎる悲しみ、憂い、長く悲しみ憂うことで、身体にも障害が起きてきます。
肺は氣を主る「氣の本」
「相傅の官」
呼吸を通じて、天の陽氣を体内に取り入れて、脾や胃の働きで飲食物から得た地の陰気が合わさり、宗氣、衛氣、営氣、津液、血、身体を構成するのに、大切な要素になります。
営氣と血は→脈中(脾の働き)
衛氣と津液は肺の働きで→全身へ散布
↓
臍下丹田に集まる元氣が加わる
↓
氣を体内の隅々に巡らせ
↓ すべての臓腑. 器官.組織の整理活動動が営まれる
肺が、正常に働くと、呼吸がゆったりと行われて、全身の氣が充実しています。
声もよくとおり、艶があり、力強くなります。
異常が出ると、痰や咳がでたり、枯れ声やか細い声になります。
「宣発」といいます。
皮毛を主る
肺は陽性の氣を(宗氣、衛氣)特に衛氣と津液巡らせ、皮毛(皮膚や産毛)を潤い養う。
肺が正常であれば、皮膚は潤い、環境(温、寒、湿熱、冷)に対応し、収縮、弛緩します。「腠理の開閉」
正常でなくなると、皮膚の乾燥や、湿疹、浮腫が現れます。
肺は鼻に開竅し、その液は涕
肺は鼻を通して天の陽気を(清氣)体内に取り入れ、古くなった氣(濁氣)を排出します。
匂いを嗅ぎ分けます。
涕(鼻水)が適度に流れることにより、鼻内を潤して清潔を保ち、異物を中に入れない。
肺の働きが正常でなくなると、涕の分泌異常が起こり、鼻が詰まったり、匂いが分からなくなります。
悲しみは憂いは、肺の氣を巡らせる作用や、皮膚の状態や皮膚が弱く、身体を冷やし、ウイルスや細菌による感染症にかかりやすくなったり、声がかれたり。
心から悲しみ、泣き疲れ心が弱った時になる症状は、長く続くと身体を傷めます。
そんな心の状態、ずっと続くのではと絶望感に苛まされた時、身体をケアすることは、心にも、安らぎや、安心感を与えることができます。
少しずつ弱った身体を良い状態にすると、身体と心は繋がっていますから、辛い心が、少しずつほぐれ、現実も変わっていきます。
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