人の生命活動 解剖生理2
ヒトに認められる生命活動
ヒトに認められる生命活動も、解剖生理学で分類されています。
いつも生きている感覚はありますが、身体が行っている生命活動に目を向けると、意識が変わる感覚があります。
生命活動には
物質代謝
興奮
情報を感受し、反応する
情報の伝達
(神経系、内分泌、免疫系)
収縮能
成長
複製
分化
という、生体に備わっている機能のことです。
一つ一つ説明します。
1.物質代謝
生体内で営まれる、物質を合成したり、分解する化学反応です。
異化作用
栄養分を分解して、生命活動に必要なエネルギーを作り出す化学反応です。
酸素を使ってエネルギー(ATP アデノシン3リン酸)を得る、酸化的エネルギー獲得反応です。
免疫機構にも深い関係があります。
同化作用
異化作用によって得られたエネルギーを用いて、分子、細胞小器官、細胞、組織などの生体構成要素を合成することです。
2.興奮
温度や明暗などの、生体内や生体外の変化を感知し、それに応答する能力です。
これらの情報は高度に特化した感覚器に集められ、中枢神経系に伝えられます。
中枢神経系はこの情報を統合し、判断して応答します。
3.情報の伝達
多細胞生物は、身体のある部分から、ある場所へ、あるいは細胞から細胞へ情報が伝達されます。
情報伝達は、下に上げる器官が担当します。
神経系
細胞内では電気信号、細胞間では神経伝達物質を用いて情報が伝達されます。
内分泌系
ホルモンによる情報伝達で、血管系を介して、遠隔組織、細胞に情報伝達が伝わります。
免疫系
多数の伝達物質を用いた情報伝達系で、病原体から身を守るための系です。
4.収縮能
ヒトは外部からの刺激に対して逃避という行動で反応します。
この逃避という行動をする為の組織が筋組織です。
5.成長
成長は人体の発育に関して重要な現象です。
既存の細胞の肥大
細胞数の増加
骨の鉱質成分など、細胞以外の成分の増加
の現象です。
6.複製
細胞は分裂能を持ち、自己と同じ物を複製します。
この複製で、個体の成長や細胞数の増加、創傷治癒、血球のような短命な細胞の世代交代を可能にしています。
7.分化
すべての高等動物は、多数の細胞から構成されています。
しかしながら、最初の段階はただ1つの細胞(受精卵)で、この受精卵が細胞分裂を繰り返すことで、はじめて、生体が完成します。
この細胞分裂(発生)の過程で、細胞は、特殊化し、それぞれ異なった機能を持つようになります。
この現象が、分化です。
無意識下で、発生から様々な身体の機能で、私達は生きているというよりも、生かされているのかもしれません。
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