東洋医学 大腸の働き
東洋医学では、大腸は、陽の性質で金、肺とは表裏関係で、腑に属します。
生理機能では、糟粕(飲食物の残り滓)の伝化を主ります。
小腸の泌別清濁の後、残った水穀(飲食物)の糟粕から、余分な水分を再吸収し、転送しながら糞便を形成し、肛門から排出します。
上は「闌門」に連なり、下は直腸で、直腸の下端は、肛門(魄門)です。
「大腸は津を主る」
大腸は、水液を吸収し、水分代謝に関係しています。
津とは、体内の透明な水分の総称です。
「大腸の伝化作用」
大腸の伝化機能は、胃の降濁機能の影響と(胃→大腸)、表裏関係である、肺の粛降機能とも影響しあっています。
肺の粛降作用は、粛浄と下降で、呼吸で、清気を吸い込み、気道を清潔にしたり、津液を腎や膀胱に下輸することです。
肺気の働きが加わることで、大腸の伝化機能が円滑になりますが、肺気がうまく働かない場合、アトピー性皮膚炎などの皮膚の炎症や、喘息、癌の転移などの病態を引き起こす原因にもなる場合があります。
「腎の気化作用と大腸の関係」
腎の気化作用も大腸に関係していて、「腎はニ便を主る」といわれます。
大腸の伝導機能の失調による疾病は、痢疾(赤痢)、下痢、熱邪が津液を焼灼すると、腸燥により便秘などの症状を起こしやすくなります。
また、大腸は金に当たり、五気では燥で、肺とともに燥邪の影響を受けやすい臓腑でもありますので、水分の摂取に気を配り、乾燥から身体を意識的に守ることも必要です。
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